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渾身(こんしん)

 

こんにちは。くろくまです。

本日は書評です。

 

~渾身 川上健一~

 

渾身 (集英社文庫)

渾身 (集英社文庫)

 

この本は、ある地方の伝統文化である相撲神事を題材にした小説です。

 

 

主人公の女性は、若くして亡くなった親友の娘を自分の娘のように世話し、

夫とも愛が芽生え、結婚します。(亡き親友の夫と結婚したということ)

田舎ですから、そういった背景に嫌悪する人たちもおり、

夫婦はなんとか地域に溶け込んでいけるよう、受け入れてもらえるよう、

真面目に頑張っています。

 

その甲斐あって、夫は相撲神事に代表として選出されます。

しかも、対抗する地区との確執から、最高位の横綱として推挙されることに。

 

地元地区の横綱を担うことで、自分たち家族を本当の意味で受け入れてもらおうと

夫は相手地区の強敵に立ち向かっていきます。渾身の力を振り絞って・・・。

 

 

この小説を読んで驚かされるのは、相撲の描写が圧倒的なボリュームを

占めていることです。読みながら手に汗握るような描写は本当に見事。

 

タイトルの『渾身』の意味の通り、主人公の夫はこの小説の大半を、力の限り

土俵で戦い抜いています。また対戦相手もしかりです。

下馬評や実績では圧倒的に相手が有利。でも、当日までの鍛錬と、

絶対に横綱の重責を果たす、という夫の決意が、力の差を埋めてしまいます。

そんな姿に、妻も、幼い娘も、仲間も、観客も心動かされていくのですが、

僕も読んでいて、喉の奥が熱くなるような興奮を覚えました。

 

こういう感覚をくれる本や映画は大好きです。

現実の世界でも、スポーツとかは多いですよね。感動や興奮。

北京五輪の女子ソフト金メダルのシーンとか、WBCイチロー決勝打とか。


東京オリンピック金メダルへソフトボール上野由岐子感動特集


Japan vs USA - Women's Softball - Beijing 2008 Summer Olympic Games


WBC速報 2009 対韓国戦 決勝 10回表 イチロー決勝タイムリーの瞬間!

 

こういうクライマックスへの盛り上がりの感覚が好きなんですね。

 

もう一つ、おススメポイント。

登場人物の中に、夫の連れ子(娘)がいるのですが、この子がかわいい。

主人公の妻にもなついてますが、お母さんとはなかなか言えないんです。

(先妻である親友のこともママとして覚えてるから)

でも後妻である主人公のことも大好きで、そのもどかしい様子がたまりません。

読んでて心癒されるキャラクターですよ。( ´艸`)

 

 

著者の川上健一には、他にも良い作品があります。

雨鱒の川』や『翼はいつまでも』など、どれも人物の描き方が純朴で

素直に感情移入できるものばかりです。

僕はとても好みなので、全作読みたいな、と思っている作家さんです。

このブログを見て、読んでくださった方がいたら、

是非感想をコメントしてください。

 

くろくまでした。