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瓦礫の中のレストラン~ 戦死した友の夢を継ぐ、まっすぐな男の商い

 

こんにちは。くろくまです。

毎日暑いので、水分補給に気を付けてます。( ゚Д゚)

寝るときにはペットボトルを一本、そばに置いておきましょうね。

 

それでは今日は書評でいきたいと思います。

 

~瓦礫の中のレストラン 江上剛

瓦礫の中のレストラン (講談社文庫)

瓦礫の中のレストラン (講談社文庫)

 

 

江上剛さんというと、金融系の小説をイメージされる方が多いかもしれません。

本作は商売の話ではありますが、戦後の混沌とした闇市で商いの道に進む男の一代記、

という感じの小説です。

 

 

あらすじ~

 

太平洋戦争も終局に向かいつつある昭和19年、

兵庫県丹波篠山の貧しい一家の長男 丑松(うしまつ)は、

お国のために、また自分の食い扶持を自分で稼ぐために、軍隊に志願します。

 

丑松はその名の通り、大きな身体にまっすぐな心を持った男でした。

 

たまたま幼なじみの茂一と一緒の志願先になることがわかり、

2人は海軍に入隊することになります。

ところが軍隊でのしごきは想像をはるかに超えるもので、

その厳しさに耐えかねた茂一は自殺をしてしまいます。

 

上官の苛めや空腹の苦しさだけの軍隊生活でした。

そんな訓練のさなか、茂一は丑松に除隊後の夢を語っていました。

 

「ワシは食堂の社長になって、腹いっぱい飯を食うんや・・・。」

 

 

丑松は茂一の死が悔しくてたまらず、『お国のため』などというまやかしの言葉には

もう心は動かされませんでした。

絶対に死なないこと、それだけを最優先にして軍隊生活を送り、

無事終戦を迎え、故郷へ帰ることができました。

 

 

しばらくはぶらぶらとしていた丑松ですが、あるきっかけから軍隊時代の友に再会し、

大阪へ出て、食いもの屋を手伝えと誘われます。

 

丑松は茂一の夢を思い出しました。

 

終戦直後の混乱の世界、闇市での商売ですが、丑松はふたたび故郷を出て、

商いの道へ進んでいくことになるのです・・・・。

 

 

タイトルはレストランでも、グルメ的要素は控え目です( ´艸`)~

 

文庫を手にして、背表紙に書かれたあらすじを読み、なんとなく面白そうだな、と

思ったらパラパラと文章を斜め読みして→購入。

僕はだいたいこんな感じで本を選びますが、皆さんもそんな感じですよね?

この作品も、まずは『レストラン』という言葉がタイトルに入っているのが気になり、

あらすじも面白そうなので、読んでみました。(グルメ系の小説や映画好きなので)

 

読む前はもっとグルメ的要素のある話かと思ったのですが、

戦後の混乱の中をガムシャラに商いで生き抜いていく、というのが

メインストーリーですね。

たまたま『食いもの屋』というのが、戦死した友の夢だったということです。

それでも、主人公の丑松はとても魅力的で、物語に深く入り込むことができました。

いろいろなトラブルや困難に対して、正面からぶつかっていく感じですね。丑松は。

男気を感じます。

 

作品としては、文章がとても読みやすいと思います。

というのは、あまり比喩的な表現が無く、描写がストレートだからです。

会話部分も多く、そのままドラマの脚本になりそうな小説です。

会話が多いということは、各キャラクターの性格描写にもなっているので、

登場人物をイメージしやすいのかもしれません。

なので、今まであまり読書に縁が無い人でも、読み始めの一冊に良いかと思います。

 

面白かったですよ。( ´艸`) おススメです。

くろくまでした。