Better Days!

面白い本や映画・美味しいもの・週末は競馬予想も。

七つの会議~ 異なる視点で一つの企業問題を描いた池井戸ノベル

こんにちは。くろくまです。

 

今週のお題は『読書の秋』ということで、今日も小説紹介をしていきたいと思います。

今日ご紹介するのは、

 

~七つの会議 池井戸潤

七つの会議 (集英社文庫)

七つの会議 (集英社文庫)

 

 

 

あらすじ~

 

舞台はとある中堅企業『東京建電』。

営業一課の若きエース坂戸は、入社以来右肩上がりに営業成績を伸ばし続け、

同社の最年少課長として、力を振るっていた。

そんな彼の直属の部下八角(やすみ)は、坂戸よりも十歳以上年長ながらも

出世街道を外れたぐうたら社員。はた目には坂戸の脚を引っ張る存在にしか

見えなかった。

 

年上とはいえ部下の勤務態度に業を煮やした坂戸は、次第にきつい口調で

八角を叱責するようになる。

ところがそれがパワハラだと社内委員会に訴えられてしまい、

坂戸は左遷人事の対象となってしまった。

 

花形部署の一課の課長には、替わって営業二課の原島が抜擢された。

 

坂戸に比べ業績の劣る自分がなぜ一課を任されるのか、

そもそも坂戸の処分は重すぎるのではないか、と疑問に思いながらも

一課を引き継ぐ原島

 

やがて原島は、坂戸の降格人事には隠された意味があることを知る・・・。

 

 

 

短編集の形を取った、異なる視点での展開~

 

始めにこの小説の目次に目を通すと、『これは短編集なのかな』と感じると思います。

ある意味ではその通りで、一編ごとに主役(視点)が移っていくのですが、

舞台は変わらず『東京建電』という一つの企業の中で、話は進んでいきます。

 

一編ごとの小テーマがありつつ、クライマックスに向かって収束していく、

なかなか読み応えのある、面白い構成でした。

冒頭のエリート社員のパワハラ問題から、その背景にある大きな秘密に至る様子を、

異なる視点から巧みにつなげていきます。

 

視点が変わると、登場する人物感も変わるので、読み始めのイメージが最後まで

続くわけではありません。

真面目な社員の視点で描かれる章があれば、反対に性格の歪んだ登場人物が

主役となる章もあります。

読者からすると、善人か悪人かを判断しかねるような登場人物もいるわけです。

 

 

僕は池井戸作品の特徴だと思っているのですが、

どの作品でも『敵』『味方』の概念が非常にはっきりしていますよね。

『そこまで非情になるかな~?』とか『そんなに敵対するかな~?』とか、

現実で考えるとツッコミたくなるような描写もありがちですが、

そこが面白さでもあります。どの人間もはっきり描かれていて、

中途半端な立場の登場人物がいないのが、読んでいて小気味良いのです。

 

プラスこの作品では、一口に敵⇔味方、善⇔悪をつかめないところに、

ミステリ的な面白さも加わっていると言えます。

やっぱり池井戸作品はハズレなく楽しめますね。('ω')

 

構成としては短編的なくくりがつながっているので、一気読みでなくとも

楽しみやすいですよ。電車通勤の読み物などに向いてます。おススメですよ。

くろくまでした。 

 

 

漫画全巻ドットコム